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更新日:3 日前

ここ最近島内の色々な場所を巡っている中で、なんだか気になるのがお墓だったりします。佐渡って見晴らしのいい特等席のような場所には必ずお墓がありませんか。地元の方に聞いてみたら、土地がないからだよとおっしゃっていたのですが、なんだか他にも理由がありそうな。佐渡でいい景色を見たければ、ガイドブックやSNSではなく墓を探せと個人的に思います。さてそんな今日のブログのテーマはお墓です。


私がもしロンドンでユニークな場所はあるかと聞かれたら、日本語ではあまり詳しい情報を見つけられない、クロスボーンズというGraveyard=墓地をご紹介させていただきたいと思います。

(日本語の情報は今ではとても増えています!2026年追記)



ここは、90年代になってから明らかになった、ロンドンの歴史の中に長い間隠されていた場所。

ジュビリーライン(地下鉄)の拡張工事で掘っていたら人骨が出てきた!ということで調査が始まり、地元の人たちの言い伝えや古い詩などをヒントに分かったことは、かつてその場所は、ロンドンでも最も貧しく暴力的なスラム街の一つとして知られていたthe Mintという地域の貧困者の墓地であり、中世の”Winchester Geese”と呼ばれる女性たちの終焉の場所でもあったということ。

その数推測15,000人(その半数以上は子供)が埋葬されていると言われています。


彼女たちの多くが、ロンドン市の法律外に位置する、ウィンチェスター司教庁の庇護下にあった公認売春宿/通称スチュー(Stews)で働いていたそうです。にもかかわらず、娼婦ということで教会側に拒絶され、宗教的にも弔うことをされずに、社会に見放された存在としてその生を終えていった、、、もう搾取通り越して人としての尊厳がめちゃくちゃじゃないか、、、。


で、何がすごいってロンドン市民。当初は地下鉄を通して、レジデンスやオフォスなどを誘致するはずだった計画をぽしゃり、追悼の為の庭園にするんです。ビジネス的発展よりも、歴史的、精神的、文化的に貴重な場所として保存していく方へ舵を切ります。

セックスワーカー、詩人、活動家、変わり者、そしてあらゆる種類の社会のはみだし者からなる非公式ネットワーク「フレンズ・オブ・クロスボーンズ」(HPそのまま引用)が設立され、Invisible Gardener (見えない庭師)の協力の元、ゲリラ的に庭を造り始めたそうです。(この庭師はVivienne Westwoodの元庭師でありミューズでもあったAndy Hulme であったことが後にわかります)

神聖な場所として、また様々な個を尊重する象徴として今も守られ続けている、そんな市民の心意気を感じていただける場所かと思います。


私は当時クロスボーンズのあるサウスバンク(テムズ側南岸)に住んでいて、その時住んでいたフラットの大家さんに教えてもらいクリスマス前のオープンデイに伺いました。スタッフの方がとても親切に説明してくださり、足を運んだことに対して大変感謝されたことを覚えています。サウスバンクは警察でさえ足を踏み入れるのを躊躇するほどの犯罪の巣窟で、無法地帯で悪名高かった黒歴史を持ちますが、その面影は今は全くありません。とても平和的で瞑想的な庭園でした。庭園についてはいつかまた詳しく調べてみたいです。


そして、クロスボーンズ に限らず、私は英国に住み始めた当初みんな公園にでもいるかのように、お墓で過ごしていることに驚いたものです。おしゃべりしたりランチしたり、本を読んだり。あまりにも普通すぎる墓でリラックスする風景に、なんだかいいなぁと思うようになり、気付くと私も散歩ルートにお墓を入れるようになって、帰国する頃にはオススメの墓リストも出来ました。

そして私は思い出すのです。小さな恋のメロディで、女の子たちが秘密の儀式をするシーンが墓だったことを。メロディとダニエルが結婚しようと決めたのも墓じゃなかったか?エイドリアン亡きあとのロッキーも木に隠した椅子を出してきてはいつもお墓でお話ししてる。

死者の眠る場所というのは、とても特別で、さまざまな思いが交錯しながらも、限りなく透明なイメージです。

 
 
 

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