いやはや、今年はショーガーデンというものの認識を大きく覆すことになりました。チェルシーはあまりチェックしていなかったのですが、今回見ていて大変勉強になったのでした。まだ途中ではありますが、ざっくり個人的に感じたことを書いていきたいと思います。まず、今年ベストショーガーデンを獲ったGuangzhou China: Guangzhou Garden。この方々の受賞がとても象徴的だなと思いました。竹で制作したという針葉樹のコーンのようなオブジェのあるこちらのお庭。ぱっと見ものすごく地味〜。水辺との境界線が曖昧で、まるで森に迷い込んだようなアジア的既視感のある風景だなと思っていたら、中国広州でインスピレーションを得たということでした。広州といえばザハ設計のオペラハウスもある、上海や北京に次ぐ文化的な都市です。デザイナーによると、広州の都市周辺には森林や水辺など特徴的な自然環境がいくつかあり、住人たちも自然を求めて頻繁に訪れるそう。そのような場所は都市の肺や腎臓とも呼ばれ、都市の浄化作用も担う他、野生生物の住処になっていたりもする。また広州には都市部を流れる大河の流れに沿ってリニアパークがはしっていて、自然と人間が繋がる場でもある”公園”という一つの未来形をそこに見て、デザインへ抽出したとのことでした。空気や水の浄化作用の強い植物などを中心に植栽デザインが組まれ、カヤツリグサやシダ類、スギナなども紹介されていました。日本だったら路傍の存在であるカヤツリグサやスギナを、ショーガーデンに使う感覚の違い。こういう時に自分の凝り固まった既成概念に気づきます。過去に書いたことがある、'植物もところ変われば'シチュエーションです。また、他のショーガーデンにも共通して言えることですが、構造物に使用しているマテリアルも持続可能なものが選ばれていたり、コンポストがあったり、ガーデン規模から地球環境の改善に貢献しようというトレンドはより一層濃くなり、園芸を通じて牽引していく声がとても強まっているように感じました。そういった部分をうまくデザインや植物の選択に落とし込んで、芸術性を高めているガーデンが評価されているような印象。ショーガーデンは華やかさだけではもはや評価されず、現代社会や自然に対するデザイナーの哲学が実体を持って語られなくてはいけない。それが文化の成熟度合いであり、それを掬い上げる審査員もやはり先を見ています。都市のランドスケープにおいても、成熟したグリーンスペースがあることは、これからの時代は特に、その地域にとって未来の莫大な財産になっていくんだろうと思います。