植物と暮らそう

お久しぶりになりました。

あと十数日で今年も終わりかと思うと、感慨深いものがあります。ブログを読んでいただいている皆様にとって、どんな1年でしたでしょうか。


今年は夏に洋酒部門を閉めたことが大きな出来事でした。

植物だけで勝負しようと決めてから、お酒のファンでいてくれた方に申し訳ないと思う気持ちがある一方で、私の心はとても自由になりました。


私はネイティブアメリカンの視線の先の風景が好きで、何かにぶち当たった時や社会に疲れた時、彼らの気高い精神や教えに救いを求める傾向があります。アイヌやマオリの民に対しても同様に。全て生きとし生けるものは家族や友達であり共にある優しい世界。


若い頃勤めていたお店の隣に、今は亡き、高橋吾郎さんの一番弟子の方のアトリエがありました。薄明かりの半地下のアトリエで、赤茶色のラグや、壁にかけられられた先住民族や動物達のモノクローム写真、シルバージュエリーが無造作に置かれ、彫りかけのレザーが積まれた埃っぽい空間。なんだかとても心地よく、店の休憩時間によく入り浸っていたものでした。父親以上に歳の離れたその方に、様々な話を聞かせてもらいました。(休憩時間では全然足りない)

仕事を辞めてその土地を去り、海外で暮らしたりしている間に、その方の訃報を聞きました。アトリエも何もかも無くなってしまったけれど、私の手元には、当時シルバージュエリーを買うほどのお金もなかった私にその方がくれた、小さなバッファローのコンチョがあります。今も心を温め続けてくれている大切な場の記憶として。


植物を生業とする今の私が誤った方向へ行かないように、先回りして出会わせてくれた縁だったのかもしれないと思う時があります。


植物との向き合い方は私も今も模索中ですが、植物をインテリアとみなすような媒体や、同業者には強い違和感を覚えます。

彼らには生も死もあり、幸せを約束されています。どうか責任を持って育ててください。世の中がどんな方向へ行こうとも、自分をより戻してくれる存在になってくれることでしょう。


この小さな店から、皆様の内的平和を植物とともにぶちかましていけたらと思っている所存です。水や、土や、風や、光のように生きられたらと思います。まだまだ年内も営業は続きます。どうぞよろしくお願い致します。



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