新潟の耐寒性ゾーン

「佐渡では室内に取り込んで」

「佐渡でなかったら地植えができるんですけどね」

そんなワードを擦り切れるほど店で使っている、冬の私。

移住してきた頃は、佐渡は海流の影響で新潟よりも夏涼しく冬暖かいと聞いていたのもあり

呑気に構えていたら、佐渡の冬にメチャクチャに打ちのめされました。



あれもこれも、越冬できない!船の輸送の間に痛んで、復活できずにケースごとダメになる植物もありました。

損失と対峙することから目を背けた、1年目の冬・・・。(園芸店としてもダメだし経営もダメダメ笑)

今まで培っていたと思い込んできたものが、全部通用しない、白紙にひっくり返された気がしたのでした。

実践で培うしかないと腹を括ってから、皆さんの庭で何が育っているか、島中を廻って観察して実際に植えてみて、信頼できる植物リストを、一つ一つ増やしていった。


そんな私がこんな便利なものがあったんかいと膝を打ったProven winnersのサイト。

Googleと連動して、お住まいの場所の耐寒性ゾーンを調べられるのです。

https://provenwinners.jp/learn/hardiness_zone_map/


”寒さを段階別に分けた(日本の場合は20ゾーン:3a~12b)植物ごとにどの地域まで冬越し可能なのかを知るための指標です”

とあります。

このゾーンによると、佐渡は大体平地で9a、山間部になるにつれて8b, 金北山の上の方で8aゾーンという括りになる。

数字が大きいほど、あたたか。

新潟だと、佐渡と同じくらいの場所は、新潟市内、下越、粟島。

それよりももう少し寒いのが三条や長岡、上越。五泉や阿賀野、燕や内陸の方になるともっと寒い。

ゾーン9aの耐寒目安は、このサイトを参考にすると− 6.7°C ~− 3.9°C。

つまり、植えてみたい植物の耐寒性がこのゾーンの示す数値内、もしくはそれより高い気温にあれば、単純に考えればGOというわけ。

ですが、そうは問屋が卸さない。

だってね、日本全体でゾーン9aというのを見てみると、佐渡は東京都心と同じくらいと聞いたら、そんな馬鹿な話はないだろうと、佐渡市民が猛反発すると思いませんか。


このゾーンはあくまでも大きな目安で、さらに突き詰めてMicro -climate(微小気候)を考慮に入れなければならないのです。


Heat, wind, rainfall and humidity are other factors affecting the hardiness of plants.

If your area tends to hold a snow cover from mid-December until mid March, you can usually grow plants

rated for one zone warmer than is indicated for your region.

(熱、風、雨、湿度もまた、植物の耐寒性に影響を与える他の要因。もし12月中旬から3月中旬まで雪に覆われているようなエリアなら、住んでいる地域で示されているゾーンより一つ暖かいゾーンの植物も育てることができます)

Wind is among the most damaging factors in a garden, making both pants and people unconfortable.

(風は一番植物にダメージを与える要因と言え、植物にとっても人間にとっても快適ではない)

Rosemary Alexander 「The Essential Garden Design Workbook」より




園芸の勉強をしているときに指定図書になっていたデザインの本から、ごく一部抜粋。

雪深いと反対に、雪が布団のような役割になって、育てられるものが増えるよというのが面白いと思いませんか。


佐渡で植物の越冬がうまくいかない要因は、吹き付ける海水を含んだ風。これが大きいと思います。シンシンと積もる雪ではなく、吹き荒み、視界を遮るほど巻き上がる雪をよけられるものがあるかないかで、結果は全く違うと思います。かといって、夏もどんどん暑くなっているし。

日本全体で、気候的にガーデニングを楽しむことがとても大変になってきているような気がします。育種家たちは気候の変化に対応できうる、耐寒性、耐暑性に優れた植物を作出しようと努力していますが、そういった植物も上手に取り入れ、同時に、長い間根を張りこの地で耐え抜いてきたローカルな植物へ、もっと細やかな目を向けて、庭づくりをしていく必要を感じています。


”私のふるさとの家は

空と海と砂と松林であった

そして吹く風であり

風の音であった” 

坂口安吾生誕碑