https://www.city.sado.niigata.jp/uploaded/attachment/17363.pdf
⇧最近こちらの記事を読んでおりまして、
店を始めてまだ数ヶ月の頃、うちで販売していたアジュガのチョコレートチップを見て
苦言を呈した方がいたことを思い出しました。
聞くにどうやら、園芸種のアジュガが在来アジュガに圧をかけているそうで、
自然が豊かなところで園芸をやるというのはそういう事で、無知ではいられない、
いろんな狭間で大変気を使う仕事でもあるわけです。
佐渡に自生しているAjuga属のものは、
・キランソウ Ajuga decumbent
別名:地獄の釜の蓋(すごい名前)
・ニシキゴロモ Ajuga yesoensis
その他日本で確認されている品種は ジュウニヒトエAjuga nipponensis をはじめとする12品種らしい。
園芸店に並んでいるアジュガは、おそらくほとんどがA.reptansとかA.tenorii ナンチャラカンチャラ
(和名 セイヨウジュウニヒトエ、セイヨウキランソウなど)等の、日本にもともとなかった種ということになり、
ざっくりいうと園芸種はこれらを様々に改良し作出したものというわけです。
そこまで詳しく調べたわけではないので、間違っていたらごめんなさい。
このセイヨウ何ちゃらっていうのはアジュガに限らずとっても多いので、耳にしたことがある方は多いでしょう。
そして、だいたいの外来種を調べてると、やたら明治時代というワードに突き当たるんですよね。
西洋文化が花開いた時に、草花たちも一緒に入ってきちゃったの?と想像すると、ちょっと可笑しいなと思ってしまいます。
そしたら日本が居心地が良くなって、帰化してしまって、爆発的に家族を増やしている。
明治時代の人はそんなこと考えもしなかったでしょうね。

(冬枯れのセイタカアワダチソウin sado
後ろに写っているのは、遠くで自分の作品の写真を撮っている青木さんです)
ただですね、この在来種外来種問題へ向きあおうとすると、私はいつも出口のないトンネルに入ってしまうのです。単純に、外来種=在来種の生息地を荒らす悪 としてしまう図式に抵抗があるのかな。(そうだったらこの商売出来ないので笑)
所変われば愛されている植物だって沢山あるはずで。
逆パターンも沢山あって、イギリスの造園会社にいた時、Japanese knotweed すなわちイタドリをものすごい形相でぶった切っていた当時のボスの顔を見た時には、すまんな、となんだかその時は日本代表みたいな気持ちになったものです。
そんなこんなで、人間の意図に反したところで、虫や鳥や風も海も植物を運んでいるし、地球全体で気候も変わっているし、これからどんどん植物の生息地域図が塗り替えられていくだろうことは、止められないのではないかと思う。
園芸家が大変な思いをしてやっとの事で固定した園芸種が、自然界でたくましく育っている植物を圧してしまうということは、私には少し考えにくいんだけれど、何が起こるか分からないのも事実。
’丈夫で育てやすくて、病気にも強くて、植えっぱなしで、毎年どんどん増える’ことが最高であるかのよう、謳い文句のようにしている園芸店は沢山あるし、私も言うし(笑)そういう植物を欲しがる方は本当に沢山いるけれど、逆にそれって、植えるものによっては庭先から逸出しないように気をつけましょうね。と注意書きを付ける必要もあるかもしれないってことよね?
・・・どこへ着地しようか分からなくなってきましたが、
まぁそれだけ地元の山や草花を大切に思う人がこの島には沢山いるのだな、という気持ちを掬い上げながら自分も商売を続けていくにあたり、最近植えっぱなしでは越冬(夏越しもしかり)出来ないような微妙なラインの植物も少しずつ増やしています。
自然界と園芸界の住み分けというとちょっと安易すぎる考えかもしれませんが、
今まで佐渡の気候に合ったものや育てやすいもの、珍しいものではなく普及種を、と思っていた自分の殻を少し壊しはじめました。
季節ごとにやらなくてはいけないことがある”面倒臭い”所 にも園芸の面白さがあると思うので、面倒臭さを厭わない方には、新しい扉をご用意してお待ちしようと思います。
上手くいかないから楽しいんだ。
そして、園芸を愛する方は自然ももれなく愛していると思いますので、
自分が面倒を見れる場所以外のところになんか植えたり、なんか植えてた土を捨てたり(根っこや種が混入してる場合も)しないようにしてください。山に入るときは何も持ち込まないように、靴の裏まで気を配りましょう。
長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。